奥多摩・丹波川本流
2005年7月31日
メンバー:上原、三浦、中村、友野(キヤノン生技研 山仲間)
7月31日、日曜日。またまた会社の仲間と沢登り、いや、渓流遡行に行って来ました。場所は3年前ぐらいから行きたかったところ、丹波川本流。多摩川の源流である奥多摩湖の上流、山梨県の流域で、三条橋からオイラン淵の間が、沢登りの遡行対象になっていて、ガイドブックに載っている比較的メジャーなコースである。
メンバーは、先日一緒に行った相棒の上原(TWVOB)、と今年沢をはじめたがバランス感覚が良い中村、以前の会社も一緒で同じ転職者でもあり、数回沢に行ったことのある三浦と私の4名。上原(30才台)はザイルを持って来ており、三浦(40才台)はハーケン、ハンマー、アブミまで道具は豊富に持って来ている。中村(30才台)は今年、富士登山5回頂上を踏んだという体を鍛えるハード登山嗜好とあって、メンバーと道具には不足はない。上原と相談して、今回は待望の丹波川(3級)に挑戦することにした。
9:00、小常木沢分岐・丹波川駐車場に車を置く。塩山に通ずる青梅街道は土砂崩れで通行止めで、今日はここから歩くことになった。かつて、市岡さん、塚原さん、チョン子さん/旧姓・川上さん(皆18期)と火打石谷へ行ったことがあった。また八王子山の会時代には小常木沢へも行ったことがあって、この駐車場に前夜泊したことがあり、懐かしい。
道路は少し濡れていて、昨晩は雨が降った様子である。ここから舗装道路を30分ほど歩くと、三条橋につく。この川原で子供が小さい頃にファミリーキャンプをしたことがあるし、2000年には、今回のメンバーである上原、三浦と3人で泳ぎの連続の沢であった小室谷
http://noyama.fc2web.com/yama/sawa/0007komuro/komuro.htm
の分岐でもある。
9:30、川原に下りて沢の身支度をする。蒸し暑くてここまではTシャツ1枚で来たが、ここからは覚悟を決めて長袖を着込む。しばらく川原歩きが続き、釣り人も見かけ暑い。すぐ最初の釜に入る。左をへずる。中村が釜に落ちて泳ぐ。犬戻り、坊主淵の釜は、深いので右に沿って泳いで落ち口を登る。水は意外に冷たい。水から上がると寒くて震えが襲ってくる。けっこう今日はきつそうだ・・という予感が走る。坊主淵の上部ゴルジュで、右のへずりが詰まって、トップの上原が早い流れの中を対岸へ飛び泳いで、岩を微妙なバランスでよじ登ったが、他のメンバーはついて行けそうもないので、ザイルを出してもらう。登るのに苦労する。ザイルがあって良かった。そのまま流されると、坊主淵の暴流帯に巻き込まれて一大事だからだ。全員、無事にわたって休憩。寒いので私と三浦の年寄り組は雨具を着る。私はTシャツと毛のラガーシャツと雨具の3枚を着てちょうど良いくらいだった。沢筋は15℃ぐらいの冷気のマイナスイオンに満ちており、水温は10℃前後であり、すでに夏を忘れた。
次は最大の難関、幅2m長さ30mの手取淵だ。右から取り付く。途中から微妙なバランスを要する状態となってきたため、ザイルを出して、上原にトップをお願いする。後の3人は長時間待つ。途中、数箇所に残置ハーケンがあり、カラビナを通しながら進めたので、万が一、上原が滑落しても、つるべ状態で止められるので安心だ。上原が通過し、ザイルを2つのカラビナで固定して、次に中村が通過。しかし途中で落ちて、暴流に巻き込まれた。ザイルに繋がっているので、自力であがって来たが腰を打ちダメージが大きいらしく、敗退して戻ってくる。先に三浦が登って、新しい残置ハーケンにシュリンゲをつけて見事に通過。これを見て休みを取った中村も通過。私はシュリンゲ、カラビナを回収しながら、へずりを結構楽しんで通過できました。この淵の通過だけで約1時間を要し、皆体力を消耗しました。
しばらく川原歩きが続き、左側を高巻きするところもありました。ガイドの解説よりも難所が多く、どうやら今日は水量が多いことに気づきました。へずり、泳ぎを何度か繰り返し、丸山入道淵に入るとゴルジュの流速が早くて泳いでもなかなか前に進めません。上原が途中まで泳いで、中間点の残置シュリンゲに手が届かず敗退。三浦が左壁2−3m上のバンドをザイルをつけて巻くことにしました。巻きコースの最後のくだりには、残置の細引きが垂れていました。ここは約40mの長いトロ状のゴルジュ。三浦が確保で、まず中村がザイルをつたって泳ぎきりました。最後の暴流帯は苦戦した様子でした。次の上原は途中で深みにはまり込み、水を飲んで敗退。もどってしばし休憩のうちに、私が泳ぎました。確かに途中から水流が深みに落ち込むように流れているために、沈む方向です。必死に立ち泳ぎをしてやっと通過。暴流部は足を踏ん張って突破しました。最後の上原は、ザイルの末端をつけて、皆で引っ張りあげてやりました。彼は相当消耗しており、ガタガタ震えていました。
次の釜では、出口1mのなにげない滝の落ち口を渡ろうとして、三浦が足をすべらせて、下部の暴流帯に巻き込まれましたが、なんとか対岸へ行けました。続いて上原も足をすべらせて、巻き込まれました。彼は中州にあがって立ち往生状態。私が3mのシュリンゲを投げて、こっちへ引っ張りあげました。どうやら落ち口は見た目よりも水流抵抗が大きく、渡れそうもありません。対岸の三浦にザイル末端を投げて、対岸側の上から確保してもらい、落ち口を渡るのを避けて順番に直径10mぐらいの釜を泳ぎました。一時的に雨が降ってきましたが、すぐに止み幸いでした。
最後の銚子滝は左の残置シュリンゲを目当てに登りましたが、三浦では太刀打ちできないので、上原が何とか突破。さらに上のハーケンに長目のシュリンゲをかけてくれて、上部に消えてしまいました。しかし、2番手の三浦の手がそのシュリンゲに届かず、なかなか登れません。10分ぐらい頑張りましたが敗退。次に私が挑戦。自分のシュリンゲを投げ縄のごとく、垂れているシュリンゲにぶつけて、揺れた反動で何とか掴むことができました。後続者のため2つのシュリンゲを、数本のシュリンゲを継ぎ足して結び、つなげて通過しました。滝の上部もけっこう微妙なバランスを要しました。結果的に初級者2人を残してしまいました。2人とも困っている様子で、結局ザイルを垂らして、確保して通過しました。
ここで遡行は終了。この先のオイラン淵は見えましたがものすごい暴流帯で通過不可能。登り道がすぐに見つかり、17:00にガードレールのある青梅街道へ上がりました。時間がかかりましたが、充実した沢遡行が楽しめました。帰りは、たったの30分街道を歩くだけで、三条橋に着きました。登り7時間半、下り30分でした。
帰路、奥多摩の新しい温泉、もえぎの湯につかって疲れを癒しました。
3級の沢は、寒さと体力の限界で、非常に刺激的で、やっぱり大変でした。でも充実!これからもこの様な沢を事故のないように注意して楽しみたいと思います。皆さまは、この様なヤバイ所へは行かない方が懸命だと思います。